春は常緑樹の剪定のもっともよい時期
タイサンボクは、大きなへら状で光沢のある葉で、葉の表が深緑で葉裏が黄土色になっている葉をつけるのが特徴的です。夏、枝の先端に白色で大きな花を咲かせます。成長が早く樹形も乱れやすいため毎年の剪定は欠かせません。なるべく樹形のラインの低い位置の枝で切り樹形を小さく整えていきます。また、葉が大きいため葉の数をそろえてあげるとよりきれいに見えます。
葉先のラインが揃うように剪定する庭木の手入れ【タイサンボク】/茨城県常総市
ヤマモミジの良さは、枝先の柔らかい線です。枝先を切りつめてしまえば、本来のヤマモミジの柔らかい線は消えてしまいます。以前は、落葉樹、常緑樹に限らず庭木の手入れは、幹から枝先がどれだけつまっているか(短くなっているか)がよいとされてきました。太い枝を途中で切り、弱い枝でつくりすぎてしまう結果、切り口から徒長枝(一直線に強く伸びる枝)が多く発生し、その徒長枝を毎年同じところで切るため、枝がこぶ状になり、かたい感じの姿になってしまいます。夏のヤマモミジの良さは、日陰になる他に枝先がそよ風で揺れて涼しさを感じさせてくれることです。枝先を活かした手入れが必要であると思います。
もう一手入るように厚く仕上げるのがモミジの夏の手入れ/茨城県つくば市
建物を風雨からまもるために植栽されたモチノキの高い生垣。茨城県のつくば市や土浦市、かすみがうら市などの農家の庭には、防風、防火を目的としたモチノキによる生垣をよく見かけます。昔の建物の壁は土や木で出来ており、風雨に弱いためその保護を目的としております。また、この地域では冬場に強い西風が吹き乾燥し、田畑のほこりが舞い上がります。それらから守るのも高生垣の役割です。本来、生垣の刈込はラインから外側に出た枝を切って形を整えるのみでしたが、中に枝が混んでしまい管理が大変でした。中に枝が混むことによって防風、防火の役割を果たしておりますが、最近では土壁の上にサイディング(鉄製、コンクリート製の外壁)を張っているため、生垣の防雨という機能は薄くなっております。そこで、中にも鋏を入れて枝葉の量を少なくすることによって成長を抑えられるほか、管理も楽にすることができます。植えられてから何十年と経過し形づくられた幹の太さや枝ぶりが浮き立ち、庭木として鑑賞できるようになりました。
刈込透かしによる剪定技法で幹枝が見えるようになった生垣/茨城県つくば市