県内の庭師10名が軽トラガーデンを展示し庭の魅力を発信
茨城県水戸市にある茨城県立歴史博物館にて、2020年11月7日~15日まで「いちょう祭り」が開催されました。軽トラガーデンは11月7日、8日に展示され茨城県造園技能士会より選ばれた会員10名が出展し、庭の魅力を訪れた方に伝えました。古平園では昨年に続き「稲わら」を使ってのミニガーデンを作製しました。
刈り取った稲を干す「おだかけ」をイメージした垣根としめ縄を砂利止めとして利用した庭
「稲わら」を主役に坪庭をつくる
雪吊りとわらボッチで冬の景色に
稲わらを使う庭の風物詩として有名なのが「雪吊り」と「わらボッチ」。雪吊りで使われる縄は、自分の手で綯い、小手縄とよばれる細い縄としました。上部の飾りは「石たたみ」と呼ばれる飾りでシンプルに仕上げました。わらボッチは、稲わらの穂先を上にして編む「並ボッチ」【写真手前】と穂先を下にして元の茎のところで編む「逆さボッチ」の二種類をつくりました。植栽は、苔のみで木を植えずに、わらの採りたての緑と少し時間が経って黄色くわら色になったボッチなど、わらの色を楽しんでもらえるようにしました。
稲わらによる垣根で仕切りと目隠しを
仕切りと目隠しを兼ねた垣根として、稲わらを使った蓑垣(みのがき)風の垣根をつくりました。今では見られなくなりましたが、稲を刈り取った後に竹の骨組みに稲を干す作業を「おだかけ」と呼び、その様子をイメージして垣根をつくりました。垣根に高低差をつけて単調な感じとならないようにしました。
砂利と苔の部分を仕切る砂利止めとしてしめ縄を利用
しめ縄は、神社などでよく見られるワラを太く綯った縄です。2m程のしめ縄をつくり砂利と苔の部分を分ける砂利止めとしました。冬の景色と苔の養生として、庭に松葉が敷かれることがあります。庭では、敷き松葉と砂利の部分とを分けるのにワラを棕櫚縄で細長く束ねたものを見切りとして使われます。
わらボッチと手綯いの縄による雪吊り|周囲の景観と調和させるのも軽トラガーデンの魅力
使用材料
- わらボッチ、逆さボッチ
- しめ縄(砂利止めとして使用)
- 手綯いの縄による雪吊り
- 稲の二番穂(刈り取ってからでる稲穂)による垣根(蓑垣)
- 網竹(網代編)による見切り・土留め
- 地苔
- さび砂利
- 筑波産オンジャクによる石組