竹林から竹を切り出して目隠しのための竹垣を設置|茨城県つくば市

切り出した竹でつくられた網代垣

お客様の宅地内にある竹林から竹を切り出して網代垣を作製しました。竹林には立派な孟宗竹が生え、切り出した竹を垣根の寸法に合わせて切り小割にしていきます。竹の切り口を見てみると、皮(青い部分)と肉(白い部分)の構造になっています。孟宗竹は、真竹に比べ肉が厚いので竹を割る作業や網代垣を編む作業には少し力を使います。押縁とよばれる垣根の横に取り付ける半分に割った竹は、孟宗竹の竹林の中に真竹が何本か生えていたので利用しました。孟宗竹ですと押縁に利用するには太すぎるというのが理由です。網代垣の下の部分を細い真竹を使い、四ツ目垣として軽快さをだしました。

目隠しのための垣根/竹垣、網代垣

切り出された竹でつくられた網代垣

お客様の軒先で仕事をするのは本来の姿

ひと昔前、筑波地内の農家には屋敷内に竹林がありました。春に筍を採る目的の他に、竹細工に利用されました。プラスチック製品のない時代に、「かごや」とよばれる職人が各家をまわってその屋敷の竹を切り出し、軒先や作業場で草取りかごや背負いかご、野菜かごなどをつくっていたそうです。また、孟宗竹の穂(枝)は竹ぼうきになり、筑波では箒づくりも盛んに行われていました。現在では、竹林は筍を採りに行くくらいで無用なものとなっていますが、竹垣という形で利用し、竹の良さを知っていただくのも庭師の役目ではないかと思います。

 

竹垣に使われている竹林(孟宗竹)

お客様所有の竹林(孟宗竹)

2019年03月13日