庭へのこだわり|地域性のある庭・管理のしやすい庭に

地域性のある庭ー茨城「つくば」で採れる石を使い地域色をー

石を使った庭・造園/庭、石、つくば、筑波石、日本庭園、和、和風、造園

筑波山を借景に地元つくば産の筑波石を使い地域性を活かした庭

 日本庭園は、石・木・水・土などの自然素材を扱います。地元で産出する石や木をに使うことによって、その土地の特徴を表すことができるのが日本庭園の魅力です。
 茨城県つくば市には、筑波山・宝篋山という二つの山を中心とした豊かな自然があります。筑波山は、二つの連なる峰が象徴的で、7500万年前という大昔にマグマが固まってつくられた斑レイ岩といわれる黒く固い岩でできています。この斑レイ岩は「筑波石」と呼ばれており、全国でも著名な庭石です。筑波山には「弁慶七戻り」や「大仏石」、「ガマ石」など様々なものに見立てられた奇岩が数多くあり、岩石そのものが信仰されてきました。
 宝篋山でもかつて、石が採れ鎌倉時代より石の加工が盛んでありました。筑波山の南東に位置する宝篋山は、変成岩と花崗岩でできています。変成岩は薄く剥ぐように割ることができるため、庭の敷石などに古くは、古墳時代の石棺などに多く利用されていました。一方花崗岩は「御影石」とも呼ばれ、日本庭園に代表される石燈籠や水鉢などがつくられる石材です。つくば市、土浦市、かすみがうら市、石岡市に跨る宝篋山界隈には鎌倉時代から室町時代につくられた石燈籠、五輪塔などの供養塔が数多く現存し、古くから石材加工業が盛んでありました。
 自然がつくる造形美を様々なものに見立て思いを寄せ崇拝した筑波山、一方で自然を人の中に取り込もうと石を加工し、人工と自然との調和を目指した宝篋山。二つの山の石と人との関わりに見る先人たちの自然のとらえ方は庭づくりに通ずるところがあります。庭の様式には、和風、洋風、自然風などがあります。そのような枠組みを超えた石の町「つくば」の地にふさわしい庭づくりを目指します。

筑波石を使った庭の施工例

手入れ・メンテナンスのしやすい庭ー10年先の庭を見据えてー

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 広々とした庭の構成|除草・掃除など日々の手入れを楽に

 日本庭園というと、「マツや石を並べて」と高価で、手入れが容易ではないイメージが先行されがちです。しかし、砂利敷きの空間を広くとった庭の構成や石組をはじめとする日本庭園の技法は、草取りや掃除などの日々の手入れ・メンテナンスもしやすく、現代の庭にも十分に活かすことができます。
 庭づくりは、つくり終えた時がその庭の完成ではありません。生の素材である植物は年々成長します。10年後、20年後を見据えた庭づくり、庭がつくられてからのメンテナンスがとても重要です。

庭の素材としての価値ー石の再利用と歴史性ー

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 新築する際に生家から譲り受けた水鉢を中心につくられた庭|時と共に苔むす

 自然の中で石という存在は、力強く、永遠性を感じさせてくれます。石の発する不動の存在感と、生の素材である植物の柔らかで動的な存在感との対比は、日本庭園の魅力の一つです。
 庭づくりには、素材をすべて揃える(現在庭がつくられていない)場合と、既存の素材と新しい素材を組み合わせる(現在庭がつくられている)場合があります。現在庭がつくられている場合は、庭の解体から始まります。石は、解体時に地中に埋められていた部分でも、作庭する時には逆に表にでることがあります。庭木も植える向きや角度、手入れの方法によって印象が違ってきます。新規に素材を揃える場合でも、愛着のある場所からの庭木の移植や石などの素材を入れることによって、より一層深い味わいや歴史を感じさせてくれる庭となります。
 庭は、当主の好みやライフスタイルによって変化するものであります。庭をリフォームする際に、レンガやブロックなどのコンクリート製品は庭の解体時に産業廃棄物となってしまいますが、石は再利用できることが最大の価値といえます。また、年月が経つにつれて石に「さび」がのり、庭木の成長と共に庭に落ち着きがでます。やがては苔が生え、歴史を感じさせてくれる庭となります。

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