霞ヶ浦を借景にしたお庭が完成しました
石を中心に管理がしやすくつくられた庭
- 庭づくりのコンセプト
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- 1.霞ヶ浦を借景にくつろげる庭
- 日本庭園の作庭手法に「借景(しゃっけい)」と呼ばれるものがあります。借景は、外部空間から庭の構成を考える手法で、山や海などの景色を積極的に庭に取り入れ作庭します。お庭からは、土浦の中心市街、土浦市民球場、そして大湖「霞ヶ浦」を望むことができます。それら一連の景色は「人工×自然」であり日本庭園のテーマでもあります。街路にはサクラが植えられ、春に霞ケ浦を背景に花を楽しめることから「花見台」と呼ばれる石敷きのテラスを設けました。
- 2.水を意識した庭
- 日本庭園には、「枯山水」と呼ばれる様式があり、室町時代に禅宗とともに発達し、砂や石で水を表現します。霞ヶ浦の一部が庭に入り込んでいるようなイメージで設計をいたしました。また管理面からも砂利の下に防草シートを敷き込み、除草の手間を軽減することができます。
- 3.城下町「土浦」にちなんだ石垣
- 土浦の亀城公園には土浦城があり、城といえば石垣と天守をイメージされると思います。土浦の歴史を感じさせてくれる素材として、エントランスの庭と建物正面よりの庭との空間の仕切りに石垣を設けました。
- 4.石燈籠を中心の景色に
- 土浦城の歴史の中で、つくば市の小田との関係が深い。筑波山の南東に位置する宝篋山麓にある小田という地は、かつて花崗岩と呼ばれる白い石が採れ、石材業が盛んでありました。そのような歴史的な観点と、霞ケ浦を海に見立て燈籠が灯台のようなイメージとなるよう,中心の景色としました。
- 5.「四方見(しほうみ)」の庭
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- ①エントランスからの眺め ―奥行きのある庭-
- ② 建物正面よりの眺め ―霞ケ浦を借景とした庭―
- ③ 建物上方よりの眺め ―自由曲線を活かしラインを楽しめる庭―
- ④ 街路よりの眺め ―モミジ、アカマツの自然風な庭―
- 庭の設計図面
- 使用材料
- 筑波石、御影石製板石、御影石製延べ石、錆砂利、水ぼうし型石燈籠、橋杭型水鉢、網代垣、オンジャク小判石、アカマツ、ヤマモミジ、ヤブツバキ、ヤマブキ、カシワバアジサイ、ハイビャクシン、クサソテツ
完成写真
エントランスよりの眺め
霞ヶ浦を借景にした石組|石燈籠は水ぼうし型
見返りの景色
橋杭型の水鉢と筑波石による石積み
御影石製の延べ石を敷き曲線にに加工した「花見台」