庭の目隠し・仕切りとして竹垣を
垣根は、庭の背景をつくる重要な要素です。垣根は庭の背景とされる他に視線を遮る「目隠し」、「仕切り」などの機能を目的として設置されます。垣根の中で、竹を材料としたものが竹垣と呼ばれます。竹垣の中でも距離の短いものを袖垣といいます。袖垣は、家から庭へ向かって設置される距離の短いもので庭の景色のワンポイントとして用いられるほか、玄関前の庭と主庭を分ける目的として設置されます。また部分的な目隠しとしても設置されます。
隣地との境界と目隠しを兼ねた竹垣
庭における竹垣の機能と種類
- 目隠し【遮蔽垣】
- 垣根の間が透いていないもので、外からの視線を遮る垣根のことをいいます。外構として敷地の囲いなどにも設けられます。割った竹を縦に張っていく「建仁寺垣」や「木賊垣」、割り竹を斜めに編む「網代垣」などのほかに、竹の穂(枝)を使って組んでいく「
桂垣 」、細い丸竹を横にかきつける「御簾垣」などがあります。
- 道路からの視線が気になる
- 隣地の視線が気になる
- 構造物など庭で見せたくない部分を隠したい
- 庭の中での視線を遮りたい 【玄関前の庭から見通せる家に向かう視線を遮る】
- 仕切り【透かし垣】
- 垣根の間が空いていて垣根の向こう側が見えるもので、庭の中の仕切りや背景として設置されます。細い丸竹を利用した「四ツ目垣」や「金閣寺垣」、竹でつくる曲線が目を引く「光悦寺垣」、太い丸竹をつかった「結界」などがあります。
- 踏み入れ防止の柵として
- 庭の景色として
- 庭の中の仕切りとして
竹垣の材料
竹垣によく使われる竹は真竹【マダケ】という種類です。茨城県つくば市周辺では、真竹の他に孟宗竹【モウソウチク】とよばれる竹林が見られます。竹林というとほとんどが孟宗竹林であり、真竹の竹林は希少です。孟宗竹でも竹垣をつくることができますが、真竹に比べ鮮やかな青さが少ないことや真竹よりも生育が旺盛ですので、径が太いことが挙げられます。また、竹は中が空洞で皮(表皮の青い所)の部分と肉(内部の白い所)の部分になっており、肉の部分が真竹に比べると孟宗竹の方が厚いため扱いづらいといえます。竹垣の種類によっても使われる竹の太さ、部位が違います。竹は、地下茎で増え次々に筍(たけのこ)を出していきます。筍が大きく成長すると枝をだして竹となります。竹林に入ると大小さまざまな太さの竹があります。作る竹垣の目的に合わせて切り出します。
竹垣の味わい
竹は、青から飴色へと月日と共に退色していくのも生の素材であるが故の味わいです。竹垣の寿命は5年~10年程といわれますが、竹の肉の部分を剥いだ網代垣や穂を使った桂垣などは10~15年もちます。竹垣の交換時期には、木が地に根を張り枝葉を茂らせ、石にも庭さびがのり庭全体が落ち着いてきます。竹垣を交換することによって庭にまた新鮮さを感じさせてくれるのも竹垣の良さといえます。